仕事に関する記事が少ないよね、とご指摘を受けましたので...
今回は基本的な「接客」について、わたしの考えを書いてみようと思います。
「接客」を辞書で調べると
「来た人に会って話を聞く/もてなすこと」とあります。
これを踏まえたうえで、
私たちレセプタントの「接客」は何をしているかというと、
会場に来たお客様の感情を、見た目、立居振舞、会話によって
〝心地よさ〟に変換しています。
心地よさの条件は、
安全、安心、快適、たのしいなど、
ポジティブな感情で満たされている状態。
つまり、ストレスや違和感がない状態です。
ストレスや違和感は誰でも感じたくないですよね。
ですから、お客様のストレスや違和感に
いつも気づいていることがとても大切です。
その〝心地よくない感情〟を察知して
〝心地よい感情〟に変換することが、接客の大切な役割のひとつだからです。
では、人はどのようにして、
お客様のストレスや違和感に気がつくことができるのでしょう。
これは、なにも特別なことではなくて、
日々、社会生活で関わる人たちとのコミュニケーションの中で
私たちが感じとっていることです。
たとえば「ありがとう」という言葉。
この言葉がどのような感情で発せられるかによって
ニュアンスは随分変わります。
感謝なのか、社交辞令なのか、
苛立ちなのか、感激なのか。
私たち人間は、声のトーンや目の動き、
ちょっとした仕草、漂う雰囲気から、
多様な感情を感じ取ることができる稀有な存在です。
お相手が何も言わなくても、表情や声のトーンから
「何かいいことがあったのかな?」とか、
佇む後ろ姿から「何か悩みごとがあるのかな?」と
気がつくことができる。
とてもやさしい能力だなぁと思います。
感情は目に見えないエネルギー。
そのエネルギーを、五感という肉体のセンサーで感じ取っています。
この能力はまだ、AIには搭載できないのではないでしょうか。
なぜなら、AIは肉体を持たないからです。
そして、お相手の感情に気がつくことができる
もうひとつの理由がとても大切だと思っています。
それは、自分の中にある感情が共鳴しているから気がつく、
ということです。
後ろ姿から悲しみを察することができるのは、
あなたが悲しみを経験してきたから。
ほんの少しの表情の変化に怒りを感じ取ることができるのは、
あなたが怒りに覆われたことがあるからです。
そして、その悲しみや怒りを取り除いてあげたいと願う
やさしいあなたが居るから、気づくことができるのだと思います。
相手の感情に敏感であることは、
自分の感情に敏感であることに等しい。
ポジティブな感情も、ネガティブな感情も、善い悪いはありません。
自分の感情を知ることは、他者理解につながることを知っていると、
自分をないがしろにすることがなくなります。
ここはちょっと説明が難しいので、また別の機会に...。
接客は、数値化できないエネルギーが交流する対人の仕事です。
数値化できないので、頭で理解するものではありません。
身体と心で感じ取り、表現するものです。
だからこそ、人間にしかできない、と私は思っています。
接客で磨かれる能力とは、
観察力、表現力、コミュケーション力、指導力、決断力...
柔らかく女性的にいうと、
深く感情を感じ、共感し、やさしさやユーモアで
ノーストレスの心地よさや、新鮮な喜びへと導く力です。
つまり、自分と他者をしあわせにする能力。
て、ざっくりまとめ過ぎかしら?笑