先日ふと立ち寄った茶房。
自分へのお土産に、美しい配色の落雁を持ち帰りました。
クラシックモダンの妙。
black・beige・white
思い返すと、その日私が着ていた洋服も同じ配色で、
他のものではなくこの落雁を選んだのは
無意識レベルで共鳴していたからかもしれない。
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休日の朝は、ゆっくりお茶をいただくことを習慣にしています。
テーブルを綺麗に整え、お気に入りの器を用意し、
懐紙の上に丁寧に和菓子を並べ、興味しんしんに近づいてくる猫を追い払いながら、
ひとときの愉しみのために過ごす時間。
後に迫りくる予定を気にすることなく、
今この時に身も心もゆだねる時間を過ごしていると
不思議と落ち着き、呼吸が整う。
お抹茶って、とても苦い。
落雁も、正直云って、すごく甘くてそれほど好きなわけではない。
けれども、味覚というものは、心の在り方で随分変わるように感じています。
恋する相手と一緒ならば、何でも美味しく感じたり・・・笑
緊張でこわばっていれば、高級フレンチだとしても味わう余裕なんてない。
時間に追われていれば、ただ流し込むだけになるだろうし、
空腹の極みであれば、シンプルな塩むすびでもご馳走になるだろう。
つまり、五感の感度が高まると、
感動は大きくなり、豊かさが増すということ。
お抹茶の苦みにも、落雁の甘さにも、
麗らかな陽気や、日向ぼっこの猫たち、
器や和菓子にまつわるストーリーに想いを馳せながら、ゆっくり丁寧に味わうと、
そこには味わったことのない愛おしいハーモニーがあり、
そのことを感じられる自分との出逢いもある。