鈍刀を磨く~坂村真民

鈍刀をいくら磨いても
無駄なことだというが
何もそんなことばに
耳を借す必要はない
せっせと磨くのだ
刀は光らないかもしれないが
磨く本人が変わってくる
つまり刀がすまぬと言いながら
磨く本人を
光るものにしてくれるのだ
そこが甚深微妙の世界だ
だからせっせと磨くのだ

坂村真民 / 仏教詩人

※甚深微妙(じんじんみみょう)
この上なき甚だ深く、はかり知れぬほどすぐれて見事な法であること

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