美食の宝庫「石川」
中でも郷土料理であるかぶら寿司は
この時期だけの贅沢品。
今年も、祖母特製のかぶら寿司が届きました。
かぶらは歯応えが瑞々しく、
とろけるような甘酒麹が風味豊かで、
「今年も作るよね??」と、
多くのファンが待ち望む自慢の一品。
一度習ったことがあるけれど、
全ては祖母の感覚に委ねられていて、
“厚さはこのくらい”
“お塩は手のひらにこのくらい”
“このかぶらなら重石はこのくらい”
それで毎年ピタリと同じ味に仕上げるのだから
祖母の感性たるや、感服せずにはいられません。
かぶら寿司はタイミングが命。
かぶらは漬け過ぎれば硬くなるし、
麹は気候を読みちがえると
発酵が進みすぎて酸味が強くなってしまう。
かぶら、麹、甘酒、鯖(金沢は鰤)
それぞれを出来上がりから逆算し、
最良の状態になるよう仕込んでいく。
「お相手の自宅に届いたその夜が
最高に美味しいタイミングであるように」
御歳86歳。
今年もふ〜んふん♪と鼻歌交じりに
愉しみながら漬けたのだろうなと
祖母の姿を想いながらいただいています。