クリムト展 ウィーンと日本1900

連休は、愛知・豊田市美術館で開催中の「クリムト展」へ。

駐車場から緑に囲まれた坂道を進んでいくと、突如現れる谷口吉夫建築。
すっきりと無駄がなく、無機質でありながらも、進める歩の感触にはやわらかさやぬくもりを感じます。
2階には大きな水面が広がっていて、瑞々しい空気が肺を満たし、清涼かつ開放的な静けさがありました。
金沢市寺町には、今年7月、谷口吉郎・吉夫記念館が開館しています。

今日の豊田市はじりじりと焼けるような猛暑日。

私の初クリムトは「愛の選択」という映画に登場する「接吻」でした。

映画好きの母のコレクションを端から鑑賞していた10代。
ラブコメ、ホラー、ヒストリー、アクション、ヒューマンドラマ、純愛・・・
オールジャンル網羅していた母のコレクションに、思春期の私はすっかり魅了されました。

中でも好きだったのは恋愛がテーマの映画で、
必ずしもハッピーエンドにはならない甘美でせつない大人の世界に憧れを抱いたものです。
私にとってクリムトの「接吻」は、その憧れの象徴でもあります。

クリムトの絵からは、人間の様々な感情が伝わってきます。
感情は抑圧されるものではなく、味わい、探究し、成長の糧となるもの。

芸術によって女性を解放したクリムト。
保守的な社会の中で、進歩的な女性の多くが「私を描いて!」と願っただろうと思います。
官能とエレガンスの表現は唯一無二で、未来永劫人びとに愛され、尊敬されることでしょう。

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