練度の高い正直~司馬遼太郎

新しい時代を迎え、新緑が美しい季節になりましたね。

前回は表現力教室の話題でしたが、あれから1ヶ月が経ち、長いような短いような、振り返ると色々あったなぁと、たった1ヶ月前のことを懐かしく感じています。

今回も「印象美®な大人の表現力教室」についての話題を。
毎月一冊、心を動かされた本を、自分の言葉でプレゼンテーションする連続講座です。

今月私が選んだ本は、山田ズーニーさんの「あなたの話はなぜ通じないのか」。
主宰者である小西敦子先生が以前ブログで紹介されていて、私にとっても大切な一冊になったコミュニケーションの本です。

コミュニケーションを生業としながら、想いが伝わらない、受け取れないことにもどかしさを感じていた時、藁にもすがる思いで手にした本で、幾度となく書き直したであろう言葉の数々に、ただただ感動し、夢中になって読み進めました。
エピローグ最後の一節は、何度読んでも胸を打ちます。

家族、友人、職場の仲間、お取引先など、私たちは常日頃何らかのカタチで自分の想いを伝えたり、相手の想いを受け取ったりしている。
そんな中、気持ちを伝えたら、誤解を招いたり、嫌われたり、傷つけてしまったりすることってあると思うんです。

なぜだろう?と、自分の気持ちに向き合ってみると、実はその想いの奥には、すごく陳腐だったり、醜いものがあったり、つまらないエゴがあったりして、意図していなくても、相手はそこに敏感に反応するんだろうなぁと。

そうすると、その陳腐で醜くてつまらないものが、「ホントウの自分」なのではないかと、向き合うことも伝えることも怖くなったりする。

昨夜読んだ本の一節に『練度の高い正直』という司馬遼太郎さんの言葉があり、そのことについて考えていました。

たとえ陳腐で醜くてつまらない自分があったとしても、諦めてはいけない。
もっともっと掘り下げて自問自答を繰り返していけば、自分も納得して、しかも相手にも真っ直ぐに届くような、何か前向きであたたかいものがあるはず、と信じたいし、それを探求することを諦めないでおこうと思った。
私たちの根っこには、それぞれに、あたたかく愛おしい、かけがえのない正直な想いがあり、それはきっと誰かの励みになったり、支えになったり、勇気になったりするはず。

練度の高い正直。
私たちはそこに至るまでの苦しみを味わい、乗り越え、通じ合える歓びを感じるために、生きているように思う。


photo:高橋明さん

あなたの中にある想い、私はそれが知りたい。
それは、だれがなんと言おうと、他の人にはない、かけがえのないものだ。
時間がかかっても、あなたはそれを育て、表現方法を磨き、いつか、広く深く、人々に通じさせていくと信じている。
あなたには、自分を偽らず、自分の想いで人と通じ合う力がある。
今から未来にどうしたいか、しっかりと意志を抱き、自分の想いで関われる世界を切り開いていってほしい。
〜山田ズーニー〜

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